トロントの交通(TTC・概要編)
- 2017/6/14
- 都市情報
【トロント交通局(Toronto Transit Commission:通称TTC)】
トロント市内を「バス(Bus)」・「サブウェイ/地下鉄(Subway)」・「ストリートカー/路面電車(Streetcar)」の3種類の乗り物で網羅している、「トロント交通局(Toronto Transit Commission:通称TTC)」。料金はTTCの範囲内であればどんなに遠くても、どの乗り物に乗っても均一で、一方向であれば各乗り物同士の乗り継ぎ(transfer)も最初の乗車から1時間以内であれば無料で可能です。乗り継ぎがある場合は、最初の乗車カ所で「トランスファーチケット/乗り継ぎ券(transfer ticket)」をもらい乗り換え時に提示をする必要があります。地下鉄であれば改札内に赤いBOX型(「transfers」と書いてある)の乗り継ぎ券発券機があるので、ボタンを押せばトランスファーチケットが発券されます。バスとストリートカーは乗車時に運転手さんに「トランスファープリーズ(transfer please)」と言えば発券してもらえます。
ちなみに、時々ストリートカーの車内で「POP」と言う表示がされている事があります。
これは「Proof Of Payment/支払い証明」と言う意味で、乗車の際には支払い証明が必要ですよと言うアナウンスをしています。現在メトロパス等の各種POP(デイパス・ウィークリーパス・メトロパス・トランスファーチケット・Eチケット・プレストカード(どこかで乗車時にタップイン済の物)を持っている方には、ストリートカーの後部扉からの乗車も認めています。また、不正乗車が横行していたりする事から、乗り継ぎのない場合でも抜き打ちチェックの際にパスやTransferなどで支払いの証明が出来ないと罰金刑で切符を切られるケースがあるようです。現金やトークンで支払った際には、乗り継ぎが無くてもトランスファーを取り、提示を求められた際にはすぐに出せるように保管する事をお勧めします。
【料金】
料金の支払い方は大きく分けて4つあります。
・現金
地下鉄の駅の窓口や、バス、ストリートカーの料金ボックスに直接料金を支払います。特にチケットなどは無いので、そのまま中に入ります。バスやストリートカーでは釣銭が出ない(両替不可)ので小銭の準備をしておきましょう。ただし、現在のシングル料金(2017年)が$3.25なので、ちょうど支払おうとすると「$2+$1ドル+¢25」と3つの種類の違ったコインを用意する必要があり非常に不便です。
・トークン(回数コイン)
コイン型をした回数券の事を言います。利用方法は1乗車1トークンを料金BOXに入れるだけ。トークンは地下鉄の人のいる窓口やTTCマークのあるトークン販売加盟店、または地下鉄の駅の構内にある自動販売機で購入する事が可能です。窓口や加盟店では基本的に3トークン以上からの購入で、色々な枚数の組み合わせがあります。3トークン以上の購入だと、1枚当たり¢30お得になります。
自動販売機では、コインで購入の場合1トークン$3(購入は最低3トークンから)、紙幣だと$10で「3トークン」、$20で「7トークン」の設定になっていて「お金の量」で自動的に判断されて出てきてしまいます。例えば、欲しいのは「1トークン」なのに、財布にコインが無く、$20しかなければ「7トークン」も買わなきゃいけない仕組みですね・・。おつりも出ますので取り忘れに注意が必要です。。さらに、トークンはコイン型のため、ほかのコインと混ざり分かりづらい事もあり、すごく便利とは言い難いかもしれません。
・各種パス(定期券・乗り放題パス)
パスの種類は「メトロパス(metro pass)」・「ウィークリーパス(weekly pass)」
「デイパス(Day pass)」の全部で3種類。
バスやストリートカーは乗車時に見せるだけ、地下鉄乗車時は有人改札で見せるか自動改札機に通すだけ(デイパス除く)で済むので、トランスファーチケットの取り忘れや乗り継ぎ時間などを気にする煩わしさが無くなり便利です。
「メトロパス」は1 ヶ月間・曜日や時間にかかわらず、TTCエリアであれば乗り放題になる定期券の事を言います。利用期間は毎月の 1 日から月末まで、日本のように利用開始日を任意で指定する事は出来ません。基本的に販売期間は前月の 24 日から 5 日までに限定されています。
料金は通常価格$146.25、地下鉄有人窓口・パス自動販売機・TTCマークのあるパス販売加盟店等
で購入可能です。また、一部の留学エージェントでは割引価格の$131.75で購入する事が出来るので、お安く購入したい場合は尋ねてみましょう。
「ウィークリーパス」は月曜~日曜の 1 週間・TTCエリアが乗り放題になるパスの事を言います。
料金は$ 43.75。こちらもメトロパスと一緒で、任意で利用開始日の指定は不可。
基本的に前週の木曜から次の火曜までの限定販売です。
購入個所も同じですが、留学エージェントでの割引購入はありません。
「デイパス」は1日乗り放題パスの事を言います。
料金は大人1人$12.50で有効期限は当日の午前5時半〜翌朝5時半までの24時間です。
地下鉄の改札窓口やTTCマークのあるパス販売加盟店で購入可能です。
デイパスはパス自動販売機では購入できません。
また、デイパスのみアンドロイドやiOSのアプリで『 TTCconnect 』をダウンロードし、
携帯から購入(携帯画面を見せて乗車可能)する事も可能です。
「デイパス」には通常の「シングルデイパス・1日券(single Day pass)」の他に
「グループデイパス(group Day pass)」の2種類があります。
「シングルデイパス」は設定日が毎日
「グループデイパス」は設定日が土休日に限定されています。
ここで言うグループとは、大人1人+19歳以下の子供5人まで、又は大人2人+19歳以下の
子供4人まで、又は大人2人となっていて、土休日でグループの条件さえ満たせば
「大人1人分の料金でグループ全員が乗車可能」になります。1日で4回以上乗り降りする場合や土休日にグループで観光する場合にはお得になりおすすめです。現在デイパスは自動改札が通れません。有人改札でデイパスを提示して乗車してください。
プレストカード/PRESTO(日本のスイカやパスモの様な交通系ICカード)
出典:TTC
プレストカードは、日本でいうスイカ(Suica)やパスモ(pasmo)のような電子カード運賃支払いシステムの事を言います。ただし、スイカやパスモの様にお買い物には使えません。プレストカードでTTCだけではなく、Go Transit(Train & Bus)、UP Expressも利用可能です。またプレストカードを使うと運賃が割引になる事もあり更に利便性が高いと言えます。今後は、紙のパスやトークンは廃止しプレストへ完全移行の方向で動いているようですが、プレストのカードリーダ-が完全に設置しきれていない事やシステムの不具合が多い事もあり、2017年には完全移行の予定でしたが、現在もまだ紙のパスやトークンが継続されています。2018年には完全移行を目指しているそうですが、しばらくはプレストのみでの移動は厳しいので、トークンやパス、トランスファーチケットとの併用がおすすめです。
基本的に、TTCの乗り物に乗車する際は各乗り物に乗車する際、カードリーダーにタップ(Tap In)するだけで降車時はタップ(Tap Out)しません。と言うのも、TCCは均一料金の為、乗車時にタップをするとその時点で料金が引かれる仕組みになっているので、降車時にタップ(Tap Out)する必要性がありません。ただし、乗り継ぎの時間は計算しなければならないので、各乗り物の乗車時には必ずタップ(Tap In)をします。タップ(Tap In)をする事で判断され、乗り継ぎ可能時間内であれば無料の為料金は引かれず、乗り継ぎの時間を過ぎていれば再度料金が引かれると言う仕組みになっています。
プレストカードの購入は、オンライン・電話・カスタマーサービスセンター・駅構内にあるGateway Newstandsで可能です。オンライン・電話・カスタマーサービスセンターでは、カード代金$6+最低$10ロード(チャージ)が必要なので、最低$16から購入可能、Gatewayでは$20(内訳:カード代$6+ロード額/チャージ額$14)で購入が出来ます。カードは購入後30日以内に1度でも使用しないと失効してしまうので気を付けてください。
カードにロード(チャージ)したい場合は、オンライン・カスタマーサービスセンター・駅に設置されているセルフリロードマシンで可能です。ただし、オンラインでのロードはロードされるまでに24時間が必要なので覚えておいてください。また、現在はオンラインでロードした際のシステムトラブルで長期間ロードされない等のトラブルも発生しているようなので、システムが軌道に乗るまではカスタマーサービスセンターやセルフリロードマシーンを使用してロードする方が良いかもしれません。
「TCCのまとめ」として、基本的にどの乗り物も時間通りに来ない事が多いです。待っていたバスが定員オーバーで素通りして行ってしまったり、道路の状況により2・3本同時に来たと思えはその後全然来ないとか、ストップリクエストをしているのにも関わらずうっかりミスで停車してくれないなんて事もあります。バスの運転手さんが、停留所じゃない所でバスを停めたかと思えばコーヒーやドーナツを購入して戻ってきたり、途中で世間話をし始めて遅延するなんて事もちらほら。整備不良でドアが開かない事や行先のアナウンスが流れないなんて事もあったりと、どれも日本では信じられない事だと思いますが、カナダでは日常茶飯事です。それでもほとんどの人が文句を言わないのがおおらかなカナダの人の国民性と言う所でしょうか。皆さんも是非カナダに行った際は、心と時間に余裕をもって対応してみて下さい。ただし、余りにも酷い場合は主張しましょう。特に降りたい所で降りられないのは困りますので。
TTCの各乗り物の詳細は下記リンクをご参照下さい。