バンクーバー交通(トランスリンク編)
- 2017/6/14
- 都市情報
【公共の交通機関Translink】
一度分かると簡単なシステムですが、日本の電車やバスの料金システムとは異なっている所が多い
トランスリンク。
料金は1ゾーン(Zone)から3ゾーン(Zoneまでのゾーン制と、90分間の時間制によって計算されます。分かりやすく言うと、乗車券を購入すると制限時間90分間、トランスリンクが運行する「バス・シーバス・スカイトレイン」全てが”乗り放題になり、同じエリア内なら同料金、Zoneをまたぐと料金が追加されると言う仕組みです。また、コンパスチケットやトランスファーチケットを利用して乗車する料金(現金料金)よりコンパスカードを利用して乗車する際の料金(IC料金)の方がお得になるのも特徴です。
ゾーン区分は以下の通りです。
【料金】
・現金料金(Single/Cash Fare)
タイプ | 1ゾーン | 2ゾーン | 3ゾーン |
---|---|---|---|
ピーク運賃 | $ 2.75 | $ 4 | $ 5.50 |
ピーク運賃(コンセッション) | $ 1.75 | $ 2.75 | $ 3.75 |
オフピーク運賃大人※1 | $ 2.75 | $ 2.75 | $ 2.75 |
オフピーク運賃(コンセッション)※1 | $ 1.75 | $ 1.75 | $ 1.75 |
※1 平日午後6時30分以降、土日、祝日はすべて終日。オフピーク時は全ゾーン一律料金(1Zone料金)となりゾーンを越えた場合の追加代金はありません。
ゾーンを越えた場合の追加代金
ピーク時運賃 |
追加代金 | |
---|---|---|
2ゾーン | 3ゾーン | |
1ゾーン | $ 1.25 | $ 2.75 |
2ゾーン | $ 0.00 | $ 1.50 |
3ゾーン | 追加代金なしで全ゾーン利用可能 | |
コンセッション | ゾーンを1つ越える毎に$1追加 |
バスのみを利用する際は、時間帯に関係なく全ゾーン一律、1 Zone料金で利用可能です。バス乗車時、現金でお支払いの場合は、トランスファーカードを使って別のバスに乗り継ぎできますが、スカイトレイン・シーバス・またはウエストコートエクスプレスに乗り継ぐには、コンパスカードまたはコンパスチケットが必要です。 |
・1日券(DayPass)
一日券 | ゾーン | 基本料金 | コンセッション料金 |
---|---|---|---|
シーアイランド以外で購入 | 全てのゾーン利用可能 | $ 9.75 | $ 7.50 |
シーアイランド※3 (YVR、シーアイランドと テンプルトンの駅)で購入 |
全てのゾーン利用可能 | $ 14.75 | $ 12.50 |
※3 1日券(Day pass)をシーアイランドで購入する場合、空港使用料$ 5カナダドルを追加で支払う必要があり、その為、$9.75+$5=$14.75となっています。
・1カ月定期券(Monthly Pass)
定期券 | 基本料金 | 割引額※4 | コンセッション 料金 |
---|---|---|---|
1ゾーン | $ 91 | $19 | $52 |
2ゾーン | $ 124 | $36 | $52 |
3ゾーン | $ 170 | $50 | $52 |
※4 40回現金で乗車した際の運賃に基づく割引額(イメージ:$2.75×2回×20日出勤=$110-$91=$19 お得!!)
※5 定期券は購入可能な日が決まっています。定期券が購入可能となるのは、前月16日から当月15日まで(券売機では前月20日から購入可能)。有効期限は月単位で、購入日にかかわらず例えば、4月のマンスリーパスを購入したら4月1日から4月30日の有効。4月15日に購入した場合は月の半分しか使えない事になります。
ゾーンを越えた場合の追加代金
定期券 |
追加代金 | |
---|---|---|
2ゾーン | 3ゾーン | |
1ゾーン | $ 1.25 | $ 2.75 |
2ゾーン | $ 0.00 | $ 1.50 |
3ゾーン | 追加代金なしで全ゾーン利用可能 | |
コンセッション | 追加代金なしで全ゾーン利用可能 |
・ストアドバリュー(Stored Value)/IC料金
ゾーン | 現金運賃 | ストアドバリュー料金 (IC料金) |
割引額 | コンセッション ストアドバリュー(IC料金) |
---|---|---|---|---|
1ゾーン | $ 2.75 | $ 2.10 | 24% | $ 1.75 |
2ゾーン | $ 4 | $ 3.15 | 21% | $ 2.75 |
3ゾーン | $ 5.50 | $ 4.20 | 24% | $ 3.75 |
※2 コンパスカードをシーアイランドで購入の上出発し、Bridgeport Stationを越えて東方面へ乗車する場合、空港使用料$ 5カナダドルが追加で差し引かれます。
※6 コンパスカードで乗車の際は、スカイトレイン・シーバスはタップイン/アウトを、バスはタップインを必ずして下さい。料金はタップイン時に差し引かれ、バスの場合は1ゾーン分、スカイトレインやシーバス乗車は3ゾーン分先に差し引かれ、タップアウト時に清算されます。また、その際タップアウトをし忘れると最大で3ゾーンの料金を請求されます。ただし、バスの場合は1ゾーン料金のみなので、タップアウトの必要はありません。
【コンパスチケット/カードの種類】
種類は全部で3種類。
①青色「アダルトコンパスカード(Adult Compass Card)」
出典:TransLink
マンスリーパス(Monthly Pass) や ストアドバリュー(Stored Value) の機能があり、色は青のプラスティックのカード型の交通機関用ICカードの事を言います。日本で言う所の交通系電子マネー”スイカ(Suica)”や”パスモ(pasumo)”のような物で、定期券や電子マネーの機能が付いているとイメージしていただくと分かり易いと思います。ただし、利用可能なのは交通機関に限定されていて”スイカ‘’や”パスモ’’の様にショッピングでの決済は出来ません。
②オレンジ色「コンセッションカード(Concession Card)」
出典:TransLink
5歳から13歳、学生証を持っている14歳から18歳の学生、65歳以上の方用です。基本の機能は同じですが色がオレンジで、コンセッションカードを持っている方用のお得な料金で乗車が可能です。
③白色「コンパスチケット(compass ticket)」
出典:TransLink
たまに乗る人や観光客向けで、紙でできた1回限りの使い捨ての乗車券です。ICカード用の改札に対応していて、通常乗車券または1日券を購入した際に発券されます。
この他に、「トランスファーカード(Transfer card)」と言う乗車券があります
出典:TransLink fares (Vancouver) – Wikipedia, the free encyclopedia
バスの車内で現金支払いすると発券される旧式の乗車券で、ICカード用の改札に対応していない為、スカイトレインやシーバスの改札を通る事が出来ず、90分以内でもバスの乗り換えしか出来ません。
コンパスチケット/カードは、下記券売機設置個所で購入可能です。(コンセッションカードは券売機では購入不可)
また、コンパスカードはオンラインや電話、コンパスカード取扱代理店、スタジアム – チャイナタウンにあるスカイトレインステーションのコンパスカスタマーサービスセンター、ウォーターフロントステーションのウェストコーストエクスプレスオフィスでも、購入可能です。新規購入時$6のデポジットがかかります。電子マネー/ストアドバリュー(Stored Value) は電話・オンライン・券売機でお金を追加する事が(チャージ)可能です。万が一、ストアドバリュー/Stored Value にお金が入っていない場合や足りない場合、Deposit からお金が充当されます。Deposit から足りない分が充当されたらカードは使用不能になります。自販機、オンライン、電話等で足りない分を払えば使えるようになります。カードが不要になった場合、スカイトレイン「Stadium-Chinatown 駅」内にある「Compass Customer Service」にカードを返却すれば、Compass Card購入時に支払ったデポジットの$6は返金してもらうことができます。
[発券機(Compass Vending Machines /CVM)を設置している箇所]
・スカイトレインやシーバスの各駅
・ロンドンドラッグストア18店舗( London Drugs stores)
・ウェストコーストエクスプレス駅(West Coast Express)
・BCフェリーツァーワッセン(BC Ferries Tsawwassen)
・ホースシューベイターミナル(Horseshoe Bay terminals)
【不正乗車について】
トランジットセキュリティー(Transit Security)がバスやスカイトレイン車内、スカイトレイン構内(改札内はすべて有料ゾーン)を時間帯に関係なく見回り、抜き打ちで検札します。検札の際切符を提示できないと罰金刑になりますので注意が必要です。
【バスでの移動】
バスでの移動は非常に便利ですが、乗車バスの種類、ゾーンや方面に慣れるまでは非常に大変です。
バス停には時刻表がありません。そのため現地では、スマートフォンを使える状況であればトランスリンクのホームページ内やアプリ、グーグルマップを利用して経路や時刻をご確認いただくのが一番早くて便利です。もし、スマートフォンを使えない状況であれば、観光案内所や中央図書館でトランジットガイドを貰えるため、カナダへ到着したらまずはルートマップを調達してみて下さい。市内の移動は、バスのみの利用なら90分乗り放題で$2.75(ストアドバリューなら$2.10)なので、バスを使わなきゃ勿体ない。というわけで、バスを思う存分使って、色んな場所をめぐってみてはいかがでしょうか。
バンクーバー市内の場合は、大きく3 つのゾーンに分かれています。バス毎に番号が付いていて、番号毎にバスルートが決まっています。乗車が多いバスのルートでは、複数のバスが運行していますが急行バスの様な、方面が同じで停車場所が異なるバスやバス2つを連結したような大きなバスなどもあります。大通りにはほとんどの路線のバス停が設置されているので、間違えないようバスマップで番号やルートを確認しながら乗車しましょう。運行時間は路線によって異なりますが、早朝5時台~翌1時頃まで。ナイトバスも運行しています。
料金の支払い方
現金で支払う場合は乗車時の先払いになり小銭のみの対応になります。おつりは戻ってきませんので、おつりが出ないように支払いましょう。なので万が一、おつりが出てしまう場合は”乗車をあきらめる”か”多く払って乗車する’’かのどちらかになりまね・・。コンパスカードで乗車する場合は、乗車時に”タップイン”をし、下車時には何もせずそのまま降りてください。下車時に誤って”タップアウト’’をしてしまうと、乗車時90分以内→下車時90分以上の場合、本来ならば追加代金なしで乗車出来たところ、タップアウトの際に再乗車とみなされ$2.10追加で差し引かれてしまいます。
バスの乗車方法
バス乗車時にコンパスカード/コンパスチケット利用の方は上の画像のようなカードリーダーにタップイン(日本的に言うなら、”タッチ”)するだけです。現金の場合はカードリーダー横の機械に現金(小銭のみ対応)を入れて、発券されたトランスファーチケットを取るだけです。ただし、トランスファーチケットはシーバスやスカイトレインに乗り継げませんのでご注意下さい。
バスの下車方法
日本のバスと同じで全バス停で停まるわけではないので、下車場所が近づいてきたら”STOPボタン’’を押すだけです。もしSTOPボタンが近くに無い場合(日本みたいに椅子毎にはついていません)は、窓の中央にぶら下がっている”紐’’を下に引っ張ればSTOPランプが点灯します。下車は前からでも後ろからでも可能です。後ろのドアは自動で開かないことが多いので、ドアの窓やバーにある「TOUCH HERE TO OPEN DOOR」と言うマークの所を押すと開きます。後ろのドアにもカードリーダーが付いていますが、タップイン/乗車用なので、何度も言いますが下車時にタップアウトする必要はありません。
【スカイトレインでの移動】
主にダウンタウンとバンクーバー各所を結んでいる電車です。ダウンタウンのウォーターフロント駅を起点に3つの路線が有り、全線無人で運行しています。
カナダラインはダウンタウンとYVR空港・リッチモンドを結んでいます。空港からダウンタウンまで一番速くてお得で、恐らく観光客の方が一番最初に利用する公共の交通機関だと思います。ダウンタウンの中心で一番の繁華街である「ロブソンストリート」に近いVancouver City Centre駅や、おしゃれなカフェやレストランが点在し、バンクーバー屈指の観光地「グランビルアイランド」に行けるミニフェリーの発着所にも近いYeletown駅にも止まるので大変便利な路線だと思います。
サレー方面のエキスポラインやバーナビー方面のミレニアムラインは、ダウンタウンにある大きなデパートに直結しているグランビル駅、「チャイナタウン」や「中央図書館」に近いスタジアムチャイナタウン駅、1986年の万博のパビリオンを使用した科学博物館である「サイエンスワールド」があるサイエンスワールド駅などに停まり、どちらかと言うとワーキングホリデーなどの長期滞在者の方がこの沿線に住んでいて、利用する事が多いと思います。また、「メトロポリス(Metropolis)」と言うブリティッシュコロンビア州最大のショッピングモールがあるのもこの路線です。
スカイトレインはバンクーバーを広範囲で移動できますので、必要に応じてバスと組み合わせて使うのが良いと思います。スカイトレインの運行時間は、早朝4時台から翌朝1時頃までです。土日・祝日は、運行している電車の本数が変わりますので確認しましょう。こちらもバスと同じで、スマートフォンでの検索が便利ですが利用できない場合はスカイトレインのパンフレットも入手しておきましょう。
スカイトレイン乗車方法
スカイトレイン乗車時は、コンパスカードが必要です。コンパスカードを持っていない場合は、券売機でコンパスカードまたはコンパスチケットを購入しましょう。(券売機では、現金の他にクレジットカードや現地のデビットカードも利用可能)
スカイトレインの駅には上の画像のような自動改札があるので、カードリーダーにタップイン(Tap In)して下さい。きちんと読み込まれると”ピー’’と言う音と共に緑色で”Proceed”の文字と利用額・カード残額を表示してくれます。”Proceed”と表示されたら通って大丈夫。ゲートが閉じていた場合も開いてくれます。もし、何らかの理由で認識されない場合は赤色が表示されゲートが閉まります。
スカイトレインの下車方法
スカイトレイン下車の際には、バスの時とは違い自動改札で乗車時と同様に必ず”タップアウト(Tap out)をする必要があります。スカイトレインでコンパスカードを利用する場合、タップインした段階で最大の3ゾーン分の料金が差し引かれ、実際の利用が1ゾーンのみであればタップアウト(Tap out)時に清算され戻って来ると言うシステムになっています。そのためタップアウトし忘れてそのまま出てしまうと、たとえ1ゾーンしか利用していなくても3ゾーン分の料金が取られてしまうと言う事になります。また、コンパスチケットで乗車する際には、必ず目的地までの料金を事前に支払うことが必要です。もし持っているチケット外のゾーンにそのまま乗車した場合は不正乗車とみなされる場合があります。(上記:不正乗車についてを参照)併せて、そのままでは自動改札を出る事が出来ない為、到着駅改札内にある券売機で「エグジットチケット(Exit Ticket)」(ピーク時に$ 5.50・オフピーク時に$ 2.75)を購入する必要があります。不慣れな土地で、不正乗車におびえながら乗車するのであれば、$6のデポジットはかかりますがコンパスカードを購入した方が安心して旅行できるかもしれませんね・・。
シー・バスでの移動
出典:TransLink
シー・バスは、タウンタウンのウォーターフロント(Waterfront)駅とノース・バンクーバーのロンズデール・キー(Lonsdale Quay)の間を結んでいる最大400名が搭乗可能な乗客専用定期フェリーです。シー・バスの運航時間は、朝6時から翌1時までで乗車時間は12分、平日の日中は15分間隔、それ以外は30分間隔での運行です。乗り場からは、バンクーバー北部のゾーンにかけてバスが出ているのですぐに乗り換えができます。フェリーから見る景色は時間帯によって変わるため、行き、帰りで違った風景が広がります。昼の景色もとても美しいですが、海上から見るバンクーバーの夜景は圧巻です。船もほとんど揺れないため、ゆったりとした観光を楽しむのであればシー・バスはお勧めです。
シーバスの乗車方法/下車方法
スカイトレイン(SkyTrain) と同じで、ウォーターフロント(Waterfront)とロンズデール・キー(Lonsdale Quay)各駅で必要に応じてコンパスチケット(Compass Ticket)又はコンパスカード(Compass Card)を購入し、タップイン/タップアウトをしてゲートを通ります。ノースバンクーバーは2ゾーン料金になりますので注意しましょう。
トランスリンク以外の交通・アクセスについてはこちらをご覧ください。