400年続くケベック・シティの魅力をとらえる
ケベック・シティは北米の中でもフランス文明発祥の地と言われています。壁の内側に隠されている石造りの城壁や、中世に建てられた城門は、世界遺産にも登録されています。ケベックの旧市街は、古くからの歴史と新しさの両方を感じることができます。馬車馬のひづめの音が曲がりくねった石畳の道に心地よく聞こえるのも、とても風情があり印象的です。
そこからそう遠くない距離に位置するエイブラハム平原は、250年ほど前に七年戦争の中枢の戦いが繰り広げられたことでも知られています。オープンエアのアート・ギャラリーにいるストリート・ミュージシャンたちの演奏に足を止めたり、トレゾール通りでは人々の輪に加わってみるのもいいでしょう。
18世紀に建造されたホテルでのキャンドルディナーを楽しみながら、銀色の塔から響く教会の鐘に耳を澄ませてみるのもおすすめです。北米で最も古いと言われているフランス人地区にある建物内には、洋服店やレストランが軒を連ねています。その一画、プチ・シャンプラン地区のカフェテラスでコーヒーを嗜みながら、おしゃれな気分に浸るのはいかがでしょうか。
見どころ
• アッパー・タウンとローワー・タウンをつなぐケーブルカー、フニキュラを移動手段に使ってみるのもいいでしょう。
・ノートルダム教会は、1687年に建造された伝統的な教会です。壮麗という言葉がぴったりなこの教会も、ぜひ訪れたい場所の一つです。
・北米に現存するイギリス軍要塞の中で最も大きいと言われているのがシタデルです。星をかたどったこの要塞をめぐるガイドツアーに参加すれば、ケベック・シティの軍の歴史と、圧巻の眺望を堪能することができるでしょう。特に6月後半から9月前半にかけては衛兵の交代式も行われるのでおすすめです。
・ガイドツアーは馬車で回るものと歩いて見物するものと2種類あります。
• サン・ポール通りにはケベックならではの伝統的なアートやアンティークな品を扱っているお店がたくさん立ち並んでいます。北米で最も古い道があるプチ・シャンプラン地区を散策してみてください。
• 名物のメープルシロップ・パイに舌鼓をうち、帰りには近くの砂糖小屋オリジナルのメープルシロップをお土産として購入するのもいいでしょう。
・洗練されたウールのケープや、きらきらと輝く宝石など、サンジャン通りではフレンチ・ファッションを楽しみましょう。
・ケベック・シティで最も古い石造りの建造物、メゾン・ケント、メゾン・メイユ、メゾン・ジャケは外せない写真スポットです。
・大規模なケベック・ウィンター・カーニバルでは、アニメに登場したそのままの犬ぞりレースの観戦など楽しむことができます。
天候と季節
・5月半ばに春がやってきてからは日中も気温が上がりますが、夜は冷え込むこともあります。6月半ばから9月にかけての夏の季節は、気温と湿度がぐっと上がります。夏が終わり9月後半から11月前半にかけての秋は、日が昇っている時間は暖かいですが、夜になると寒さが増します。11月から3月までの冬は雪もとても多く、一段と寒さも厳しさを増します。
・詳しくは現地の気象情報を確認してみてください。カナダの環境省が運営しているウェブサイトでは、このケベック・シティ一帯の気候も調べることができます。
観光案内
・6月24日のジャン・バティスト・デイは、花火、大かがり火、街をあげてのパレードなどが行われる、ケベック・シティにとってはとても大事な祝日です。
・2月に催されるケベック・ウィンター・カーニバル期間中は多くの観光客が街を訪れるので、宿泊施設の予約はなるべく早めにしておくことをおすすめします。
・ケベック・シティではほとんどのエリアに車いすで入場することができますが、18世紀や19世紀ごろにできた伝統的な建物への入場は制限される場合があるので注意が必要です。
・観光案内所は年中無休です。場所はアッパー・タウンのシャトー・フロントナックの正面です。
旅行に最適な時期
・ケベックシティは5月中旬に春がやってきます。数々のミュージアムやギャラリー、スタイリッシュなお店が並ぶショッピング街を一日満喫した後は、名産のメープルシロップ・パイをぜひ食べてみてください。
・ケベック・シティの夏の始まりは6月24日のャン・バティスト・デイ。この日からは街中がまるでミュージカルの舞台かのように華やかになります。7月に行われるケベック・サマー・フェスティバルもこの明るい雰囲気のままに始まっていきます。
・ケベック・シティの秋は紅葉の美しさが目を惹きます。文化の季節とも言われる秋、ケベック国際宗教音楽祭などのコンサートや展覧会に足を運ぶのもいいでしょう。
・真冬の2月に行われるベック・ウィンター・カーニバルは、雪と氷をたくさん使ったお城やパレードが登場します。そんな時には暖かい格好でスケートを楽しむのもおすすめです。
耳寄り情報
・街の大部分を歩いて回ることができるのもケベック・シティの特徴です。たくさん歩ける靴と水筒を持参しましょう。
・ケベックの旧市街に現存するお店やギャラリー、レストランを巡ってみると一日では回りきれないことがわかるでしょう。伝統ある建造物をゆっくり回るには、2日は見ておいた方が確実です。
・言葉は英語でほとんど問題はありませんが、フランス語を使う人も多い街なので、この機会にちょっとしたフランス語の文章を勉強してみるのはいかがでしょうか。地元の人たちも喜んでくれるはずです。
・ケベック・シティでは街の外へ遠出する場合を除いて、レンタカーは不要です。
現地までのアクセス
・モントリオールからおよそ車で3時間の位置にケベック・シティはあります。車や飛行機、鉄道などで出向くことができます。
• ケベック・シティ最寄りの空港、ジャン・ルサージ国際空港はケベック・シティのダウンタウンからおよそ16kmほど離れたところにあります。