カナダの教育制度とは?
- 2017/10/19
- 基本情報
カナダでは、州(準州)ごとに教育制度が定められていますが、6歳で小学校に入学してから、日本の中学・高校に当たる中等教育を終了するまでの期間を12年とするのが一般的です。学年(Grade)は小・中・高校をグレード1~グレード12というように数えます。
初等教育の期間は通常6年ですが、7~8年の州もあり、それぞれの地域的な特色や、文化、歴史などを反映したカリキュラムが組まれます。中等教育の最後の2年間、日本の高校2~3年に当たる
Grade11~12の時期より選択科目の幅が広がり、大学進学希望者は一般教育に進み、就職希望者は職業教育に進みます。
□ 公立・私立について
カナダでは、小・中・高ともに公立校が数多くあり、そこに進む人が殆どです。
私立は、ローマ・カトリック系が大半で一部プロテスタント系の学校もあります。しかし私立学校の数はとても少なく、初等~中等教育の学校の割合は全体の10%で、生徒数はわずか5%です。
公立に進学する人が多い理由には、カナダ人は学費が無料ということが挙げられます。義務教育の授業料は、政府が負担するのです、ただ、これは税金を支払っているカナダ国民が対象で、留学生は年齢に関係なく、規定の学費を支払わなければなりません。
バンクーバーやウィスラーという都市を持つブリティッシュ・コロンビア州などの地域(学区)の公立校では、留学生の受け入れを行っているところもあり、留学生の入学条件や学費は学区ごとに決められています。
□ 2言語主義について
カナダには英語とフランス語という2つの公用語があります。カナダ人の7割は英語を母国語としていますが、残りの大半はフランス語が母国語です。
特にケベック州では、州民の8割がフランス語を母国語としており、2言語プログラムを採用しています。効率的な第2言語習得の為、通常科目を第2言語で指導するイマ―ジョン(没入法)も導入しています。
■ カナダの高等教育 ~ 種類と特徴
カナダには90の学位授与教育機関と170のコミュニティカレッジがあります。
数校を除き、州立大学であるため、大学間のレベル差はなきに等しく、世界的にみても
高水準の教育を提供しています。
□ コミュニティカレッジ(短大)について
カナダでカレッジ(短大)といえば、主にコミュニティカレッジを指します。コミュニティカレッジには、大学編集を目的とした「ユニバーシティ・トランスファープログラム」と、
就職を目的とした「職業訓練コース」があり、少人数クラスで対話方式の授業を行っている点が特徴です。ほとんどが州立で規定の単位を修得すると、終了証書のCertificateやDiplomaが取得できます。
入学基準が大学より低いので、ここを足掛かりに、難関といわれるカナダの大学を目指す留学生も多くいます。進学を考える人、手に職をつけたい人、どちらにも適した留学先といえるでしょう。
□ 大学について
カナダの大学には、州立と私立があり、学位を取得出来るのは、総合大学と学位授与権のありカレッジの約90校となります。カナダの大学は、プログラムの規模や取得できる学位から見て、大きく次の3つのタイプに分けられます。
① 大学院博士課程のある大学
…高度な研究活動を中心とした環境で学びたい人向けの大学です。
② 大学院レベルの学部入学
…学部・大学院レベルのクラスで、MBAなどの学位を含む幅広いプログラムがあります。
留学生にも親しみやすいといえます。
③ 学部教育を重視する大学
…学部を特定のものに限定して、集中的に教育する大学です。全学生数3000人程度の規模で、
人文系学部が充実しているのが特徴です。20~30人程度の少人数クラスが多く、行き届いた指導が期待できます。
参考:
大学への入学資格は一般に高校卒ですが、ケベック州のように高校卒業後、
CEGEOという短大で2年間勉強しなければ、大学への進学が出来ないところもあります。
□ ユニバーシティ・カレッジ(University College)について
文字通り、大学とカレッジ(短大)の両方の性格を兼ね備えている教育機関です。
ここで学士課程の教科を習得すると、学位がそのカレッジまたは提携大学から授与されます。
2年間で準学士号を取得することもでき、大学進学過程を終了した学生は、技術専門の学科を修了すると技術習得証明書・修了証書・卒業証書が取得できます。
殆どが地方都市にあり、大学より小規模で親しみやすい点も特徴で、教授を身近に感じながら専門知識と技術を習得したい人向けといえます。