【第3話】留学体験記

ショウタさん

情報学科の大学3年生。コンビニのアルバイトの傍ら、授業の課題も要領良くこなす真面目なタイプ。就職活動前に海外旅行＆英語力も身につけたいと、カナダ語学留学プログラムに参加する。

【第1話】カナダ短期留学に行くことを決めた理由

　－オンタリオ湖の北西に位置するカナダ最大の都市トロントに到着。寮までバスで移動する。そして、明日の語学学校でのオリエンテーションの集合場所とスケジュールが書かれたプリントが配られる。

しょうたさん

トロントは近代都市って感じだな。

金融や経済の中心といわれるだけあって、トロントの象徴ともいえるCNタワーをはじめ、高層ビルが立ち並ぶ近代都市だ。もちろん車で移動すれば、ナイアガラの滝や、メープル街道、トロント動物園などの有名な観光スポットに行くこともできるみたいだ。

【事前メモ】：

■ ナイアガラの滝：トロントからは片道車で約2時間と近くのカナダの言わずと知れた観光名。巨大な滝にも関わらず、水しぶきを浴びる事の出来るほどの至近距離で色んな角度から見学ができる。ベストシーズンはやっぱり夏。天気がいいので滝の水しぶきで虹が綺麗に見られる。
■ メープル街道：ナイアガラやケベック・シティまでの全長800kmの紅葉に彩られた絶景の観光ロード。日本人がメープルの木が多い事から「メープル街道」と名付けた。

■ トロント動物園：広大な土地で500種類、5000頭以上の動物が生息している動物園でそれはまるで自然公園さながら。園内の歩道は約10kmにも及ぶため、見学するなら1日がかりの覚悟。公共の交通機関を利用すると電車とバスを乗り継いで約1時間半ほど。

―　寮では、2枚のカードキーが配られ、智と俺で1枚ずつ持った。寮の近場を散歩し、スーパーで日用品を買い、コンビニで地図と雑誌を購入する。夕食はインスタントラーメンで済ませ、明日の準備をする。

―　時間に余裕をもって、語学学校に歩いて向かった。初日のオリエンテーションで、レベル分け面談があり、中級クラスのテキストをもらった。スケジュール表をみると、授業は午前に授業があり、午後は自由時間となっている。半分は日本の学生で、俺と同じで大学（他2大学）の留学プログラムに参加した学生で、他半分は様々な国出身の留学生が参加している。

　留学プログラムは、語学の授業はもちろん、旅行プランも含まれていた。観光は、協定校の日本の学生のみで行くらしい。人数は20名ほどだ。

しょうたさん

オリエンテーションで、4年生大学に留学している日本人の学生支援スタッフが夏休みのアルバイトとして参加していて、面倒を見てくれるみたいだ。ネイティブの先生から英語で指示を受け、ペラペラ英語を話しているのを見ただけで尊敬できた。

　授業は、先生がプロジェクターでオリジナルの資料を映し、途中で会話をしながら進めていくもので、テキストの読み合わせもしたが、主に宿題の確認用として使用された。2，3日に一度、ライティングの課題も出された。カナダの観光スポット特集もしてくれて、実際に皆にどこ行ったかを聞くから、英語で日記をつけておいてください。と言われた。大学では理系の授業が中心だったから、英語で受ける講義は新鮮だった。Show and Tellという時間があり、自分の撮った写真なりチラシ・雑誌なりを基に自分の日常の事や興味のあることを説明した。はじめは言い回しが出てこなくて苦労したけれど、1カ月の後半では大分できるようになったと思う。

なかでも一番、興奮して話せたのは、エアカナダセンターでのNBA観戦の話だ。TVでNBAの試合を見たときは、司令塔となるガードの選手のゲームメイクの上手さに惹かれたが、間近で見るNBAの迫力は、感動モノだった。フォワードの１対1で技ありの突破力に見とれたし、どこからパス出したの？と思えるアリウープや、ダンクショットには会場がどっと湧いた。接戦だっただけに、最後まで目が離せないゲームだった。観戦後、カナダで唯一のトロントラプターズがあるトロントに来て良かったと心底思えた。雑誌とミニ版バスケボールも購入した。あと、好きになった1対1が上手くてシュート力のあるパワーフォワードの選手のカードも買った。

市内観光の日に、メープル街道をバス移動をした。ナイアガラの滝やサウザンド諸島、ローレンシャン高原、ケベックシティを見てまわった時には、見晴らしの良い高原は、絵本に出てくるような世界に感じられたし、ケベックシティの旧市街地では、やはり日本では感じられない多様な文化で出来上がった独特の雰囲気があった。

― 最後にプログラムの修了証をもらい、俺の1か月の留学プログラムは幕を閉じた。

【第4話】帰国後、現在の就職まで

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